ダウンロードでどれくらいの容量を使うのか
ファイルの大きさを決めているのは、解像度の数字そのものではなくビットレートです。1秒あたり何ビット使って映像を記録しているかで容量が決まり、そのビットレートはフレームレートと動きの多さで大きく変わります。だから同じ1080pでも、会話中心の動画とアクションの多い動画では倍以上の差が出ます。
実際に測るとどうなりましたか
自社サーバーで1本の動画を3つの形式で保存し、サイズを測りました。素材は10分35秒、60fpsのアニメーションです。
この素材は60fpsで動きも多いため、重い側の例だと考えてください。同じ720pでも、動きの少ないトーク動画やスライド中心の講義動画ならこれよりかなり小さくなります。1つの測定例であって、すべての動画に当てはまる法則ではありません。
| 形式 | ファイルサイズ | 1分あたり |
|---|---|---|
| MP4 720p | 161MB | 約15MB |
| MP4 360p | 28.8MB | 約2.7MB |
| MP3 | 19.0MB | 約1.8MB |
720pと360pで5倍以上の差があり、映像を捨てて音声だけにするとさらに小さくなります。保存先の空き容量が心配なときは、この3段階のどこで足りるかを先に考えると判断が早くなります。
なぜ解像度だけでは決まらないのですか
解像度は1枚の絵の大きさを表しているだけで、その絵を1秒に何枚、どのくらいの情報量で記録するかを決めていないからです。実際の容量はビットレートが決めます。
効くのは主に3つです。フレームレートは、30fpsが60fpsになれば1秒あたりの枚数が倍になります。動きの多さは、画面が絶えず変わる映像ほど前の絵との差分が大きく、圧縮が効きにくくなります。コーデックの効率も影響し、AV1は同じ画質をより少ないビットで記録できます。
だから「1080pは1分あたり何MB」という言い方は成り立ちません。上の表を目安として使いつつ、動きの多い映像は大きめ、静かな映像は小さめに見積もってください。コーデックの違いは変換と再エンコードの違いで扱っています。
上限の見積もりに使える公開値
YouTubeが公表している推奨アップロードビットレートが参考になります。1080pで8〜12Mbit、2160p30で35〜68Mbit、2160p60で53〜85Mbitです。
ただしこれはアップロード時の推奨値です。実際に配信されるストリームはYouTube側でこれより低いビットレートに再エンコードされているため、この数字は上限の見積もりとしてだけ使ってください。ダウンロードしたファイルがこの通りのサイズになることはありません。
2160p60で85Mbitという数字を1分に換算するとかなりの容量になります。4Kの長い動画を保存する前に空き容量を確認したほうがよいのは、このためです。1ファイルあたりの上限は既定で2GBです。
容量を抑えるにはどうしますか
解像度を1段下げるのが最も効きます。上の実測では720pから360pに下げるだけで5分の1以下になりました。スマホの画面で見るだけなら、720pと1080pの差はほとんど分かりません。
映像が不要なら音声だけにするのが最も大きな節約です。同じ素材でMP4 720pの161MBに対しMP3は19.0MBでした。映像ストリームを一度も取得しないため、通信量も処理時間も減ります。
注意したいのは、保存した後で圧縮し直しても得るものが少ないことです。もう1回の非可逆エンコードになるため、サイズは減っても画質はそのぶん落ちます。最初から低い解像度を選んで取り直すほうが結果は良くなります。YouTubeのダウンロードページでは、その動画に実在する解像度がすべて並びます。
プラットフォームごとの傾向
YouTubeは選べる解像度の幅が最も広く、投稿者が公開していれば2160pまで並びます。360pを超える画質では映像と音声が別ストリームになっているため結合が必要ですが、この工程でサイズが増えることはありません。詳細は高画質でダウンロードする方法をご覧ください。
TikTokは投稿された動画を強めに再エンコードするため、多くのクリップは1080×1920あたりが上限で、尺も短いのでファイルは小さくなります。Facebookは1本の動画にSD版とHD版を持っていることが多く、どちらを選ぶかで容量が大きく変わります。見分け方はHD版の受け取り方で説明しています。
Instagramのリールは縦長のフレームで、横長の同じ長さの動画よりピクセル数が少ないぶん小さめになります。
保存先の空き容量が足りないとき
スマホの空き容量が少ない場合は、先に解像度を落とすか音声だけにしてください。ダウンロードが途中で止まる原因として、回線よりも保存先の容量が問題になっていることがあります。
iPhoneではブラウザからのダウンロードはファイルアプリのダウンロードフォルダに入り、写真アプリには自動では入りません。Androidでは /storage/emulated/0/Download に保存され、メディアスキャナーがギャラリーに反映します。保存先の詳細はダウンロードできないときの原因と対処にまとめました。
よくある質問
10分の動画はどのくらいの容量になりますか
実測では10分35秒の60fps素材で、MP4 720pが161MB、MP4 360pが28.8MB、MP3が19.0MBでした。動きの少ない動画ならこれより小さくなります。
同じ1080pなのにサイズが違うのはなぜですか
ビットレートが違うからです。フレームレート、動きの多さ、コーデックの効率で必要なビット数が変わります。
容量を減らすにはどうすればよいですか
解像度を1段下げるのが最も効きます。映像が不要なら音声だけにすれば、さらに大きく減ります。
4Kの動画はどのくらい大きくなりますか
YouTubeの推奨アップロードビットレートは2160p60で53〜85Mbitです。配信されるストリームはこれより低いので上限の目安ですが、長い動画では相当な容量になります。
ダウンロードできるファイルサイズに上限はありますか
既定で1ファイルあたり2GBです。数時間におよぶ4K動画でなければ、ほぼすべて収まります。
保存した後で圧縮してもよいですか
低い解像度で取り直すほうが結果は良くなります。手元での圧縮はもう1回の非可逆エンコードになり、画質がそのぶん落ちます。