保存した動画が無音になる2つの原因
原因は2つに絞れます。1つは、映像と音声が別々のストリームになっているのに映像だけを取得したため、音声トラックが最初から入っていない場合。もう1つは、著作権の申し立てによってプラットフォーム側で音声がミュートされている場合です。前者は結合するツールを使えば解決し、後者は元の動画がすでに無音なので解決しません。
なぜ映像と音声が別々になっているのですか
YouTubeが360pを超える画質でそう保存しているからです。DASHと呼ばれる配信方式で、再生中はブラウザが映像と音声の2本を同時に読み込んで合わせています。見ているだけなら意識しませんが、ダウンロードの段階では2本を自分で結合しなければなりません。
結合の工程を持たないダウンローダーは、この2本のうち映像だけを取ってきて渡します。結果として、解像度は高いのに音声トラックが1つも入っていないファイルができます。プレーヤーで開くと映像は再生されるのに音量バーが反応しない、という状態です。
この境目を1440pだと書いている記事もありますが、正しくは360pです。ここを取り違えると、720pや1080pで保存したのに音が入っていない理由が最後まで分かりません。
音声トラックが存在しないのか、音量が小さいだけなのかは、プレーヤーの情報表示で分かります。トラックの一覧に音声が出てこなければ、結合されていません。
結合していれば音は入ります
このツールは映像ストリームと音声ストリームの両方を取得し、ffmpegで1本のMP4に結合してから渡します。だからYouTubeのダウンロードページで1080pを選べば、映像は本当に1080pで、音声もフル品質のまま入っています。
結合は再エンコードではないので、この工程で画質や音質が落ちることはありません。入れ物を組み直しているだけです。何が再圧縮で何がそうでないかは変換と再エンコードの違いで整理しています。
似た症状に「音は入っているが明らかに悪い」というものがあります。これは結合していないツールが、高解像度の映像に音声込みで用意された低品質のストリームを組み合わせた場合に起きます。仕組みは高画質でダウンロードする方法で扱っています。
プラットフォーム側でミュートされている場合
著作権の申し立てによって音声が消されている動画があります。この場合、プラットフォームで再生した時点ですでに無音です。ダウンロードの問題ではありません。
見分け方は簡単です。ブラウザでその動画をそのまま再生してみてください。そこで音が出ないなら、原因は配信元にあります。存在しない音声を取り出すことはどのツールにもできません。
ミュートは動画の一部分にだけ適用されることもあります。前半は音があるのに途中から無音になる動画は、その区間だけ申し立ての対象になっている可能性があります。
症状から原因を切り分ける
順番に確認すれば、どちらの原因かはすぐに分かります。
- プラットフォームで元の動画を再生します。ここで無音なら、原因はミュートで、解決しません。
- 元の動画に音があるなら、保存したファイルの音声トラックを確認します。トラックが存在しなければ結合されていません。
- 別の解像度で取り直します。360p以下は音声込みで配信されているため、結合しないツールでも音が入ります。
- 音声だけを取り出して確かめます。MP3で音が出るなら、音声ストリーム自体は存在しています。
音声だけの取得は映像ストリームを要求しないので短時間で終わります。原因の切り分けにも使えます。
他のプラットフォームでも起きますか
構造は少し違います。TikTok、Instagram、Facebookは映像と音声を1本にまとめた状態で配信していることが多く、YouTubeほど結合の問題は起きません。それでも無音のファイルができるなら、元の投稿の音声が消されているか、投稿自体が無音です。
Facebookは1本の動画にSD版とHD版を持っていることがあり、どちらを受け取るかで音声の品質も変わります。受け取る版の選び方はHD版の見分け方で説明しています。
TikTokの音源だけを確認したい場合は、TikTokのダウンロードページで形式をMP3に切り替えれば、音声が存在するかどうかがすぐ分かります。
音声だけ別に保存することもできます
映像に音を戻すことはできませんが、音声だけを別のファイルとして取得することはできます。形式でMP3かM4Aを選べば、音声ストリームだけが取り出されます。
M4Aは元のAAC音声をそのまま保持するので、非可逆の変換が1回少なく、ファイルも小さくなります。MP3は再生できる機器が多いという利点があります。ビットレートの考え方はMP3で音声を抽出するで数字つきに解説しています。
よくある質問
ダウンロードした動画が無音なのはなぜですか
原因は2つです。映像と音声が別ストリームなのに結合されていないか、著作権の申し立てで音声がミュートされているかです。
どちらの原因か見分ける方法はありますか
プラットフォームで元の動画を再生してください。そこで無音なら原因はミュートで、音が出るなら結合されていないファイルです。
なぜ映像と音声が別々になっているのですか
YouTubeが360pを超える画質でそのように保存しているからです。再生中はブラウザが2本を同時に読み込んで合わせています。
360pだと音が入るのはなぜですか
360p以下は音声込みで用意されたストリームが配信されているためです。結合の工程がないツールでも音が入ります。
無音になった動画に後から音を戻せますか
戻せません。音声トラックが入っていないファイルには音の情報が存在しません。音声込みで取り直してください。
音は入っているのに明らかに悪いのですが
結合していないツールが、高解像度の映像に低品質の音声を組み合わせた可能性があります。映像と音声を両方取得して結合すれば、フル品質の音声が入ります。